レポートに新規記事「ISO/PC236 プロジェクトマネジメント国際標準化ドイツ会議への参加」を掲載

2008/12/22
お知らせ

■ プロジェクトマネジメント標準化の国際会議

2008年11月3日から7日にかけて、ドイツ ミュンヘン(München)郊外のミースバッハー(Miesbach)にてプロジェクトマネジメント(以下、PM)の国際標準化(ISO化)に向けた国際会議が開催されました。
現在、世界各国のPMのエキスパート達が、"国や業界・業種によらないPMのWHAT TO DO(何をすべきか)を定義"するための活動をおこなっています。
詳細に関しては、ISO/PC236日本委員会メンバーの方々が国際会議の紹介をしていますので、こちらをご参照ください。
今回のドイツ会議には日本から私を含め8名のメンバーが参加しました。我が国のITや建設等多くの産業業界の利益を意識しながら国際標準化への貢献を第一に、来年の日本開催(東京ミーティング)に向けた、開催案内や関連情報の収集を行う目的をもって積極的に参加してきました。
 
■ 開催地は、のどかな田舎町
開催地ミースバッハはミュンヘンから車で約1時間、ホテルの窓からはのどかな牧草地が広がる小さな街です。
深夜に到着したため到着日当日は景色が見られなかったのですが、朝、窓をあけると目の前には牛、牛、牛...。
外に出ると牧場特有のかぐわしい(?)匂いが漂っておりました。
 
■ WGでの活動とエキスパート達との交流
会議には世界各国から80人を越えるメンバーが参加し、WG1(Glossary 用語集作成)、WG2(本文作成)、WG3(ANNEX作成)にわかれて討議を行いました。
ITや建築分野でのプロジェクトマネージャー、大学教授、各国のPM団体のメインメンバー等、PMのスペシャリストが集まり、熱く議論をかわします。
私が参加したWG(ワーキンググループ)では、4~6名程度のサブグループ(私のサブグループはアメリカ、メキシコ、韓国のメンバー)にわかれ、Glossaryに含めるべき言葉か否か、定義は適切であるか、各国の標準を作成していく中で翻訳することが難しい表現や単語がないかを精査しました。
日頃コンサルティングをする中でも、「規格では、どのように定義しているか」、「規格はどのように解釈できるのか」を常に考えます。今回、国際標準化の作業に関わり、適度な分量でバランスを図りながら、誤解のない文章を策定する作業には、大きな苦労と責任があることを改めて認識させられました。

開催国であるドイツのNPO団体が主催したパーティーでは、生バンドによる民俗音楽の演奏やドイツの伝統的な玩具や楽器の披露などもあり、真剣な会議の場とは違い、打ち解けた中で各国の参加メンバーと交流を図ることができました。各国の参加メンバーも次年度の日本開催を楽しみにしており、日本からの参加者に色々と声をかけて頂きました。
 
■ PMとコンサルティング
コンサルティングの仕事の多くは、カタチに残らないサービスを提供します。
コンサルタント個人の能力や経験に依存した対応も多く、提供するサービスがお客さまに場当たり的であるような印象をもたれてしまうことも多くあります。
当社ではチームとしてプロジェクトを遂行する機会が多いため、お客さまはコンサルタント個人に対してではなく、チームとしてまたは企業としてサービス提供の総合力を期待されています。コンサルティングというサービスであっても、PMフレームワークの実践を通じて提供することがサービスの品質を向上させ、お客さまへの説明責任を果たし、その結果がお客さまの満足にもつながると考えます。

プロジェクトマネジメント国際標準化(ISO化)の活動は、これからPMを導入していく国や業界に対して"何をすべきか"を示す活動です。
今回のような活動に参加することでコンサルタントとして、少しでも社会に貢献をしていきたいと考えています。
 
- 執筆者 -
株式会社インフォセック
マネジメントシステムコンサルティンググループ シニアコンサルタント 松本照吾
大手SI会社を経て、2004年に株式会社インフォセックに入社。
 ISO/IEC27001 認証取得、運用支援
 BCP構築に関するコンサルティング
 情報セキュリティ監査のプロジェクトリーダー等をつとめ現在に至る。

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