GLOBAL CYBER CRIME - Trends & Countermeasures 2018 -
開催レポート

~ オーストリア・ウィーンで初の当社主催イベントを開催 ~

2月22日、オーストリアでのパートナー企業であるSEC Consult社と当社が共同主催するセミナーイベントを開催しました。

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古都ウィーンらしく舞踏会にも使われる大ホールで大勢の来場者が見つめる中、インフォセック副社長の中江剛介とSEC Consult創業者のClemens Foisnerにより開会が宣言されました。

また在オーストリア日本国大使館の寺岡敬参事官にイベントのオープニングスピーチをしていただきました。



基調講演:
「Global Cybercrime Threat Landscape: INTERPOL's Efforts in Combatting Cybercrime」

国際刑事警察機構(ICPO)より中谷昇 IGCI総局長をお迎えしご講演いただきました。

犯罪は、物理的な世界からサイバーの世界へと舞台を移しています。過去20年間における世界的な傾向として物理的な銀行強盗事件が各国で減少し続ける一方、サイバー犯罪による銀行からの盗難被害やオンラインバンキング詐欺は増え続けています。
またランサムウェアは、手っ取り早く金銭を得る犯罪手段として急速に成長しています。ランサムウェアの身代金として 2016年は年間で約10億ドルが支払われましたが「犠牲者の約5人に1人は、身代金を払ってもデータが返ってきませんでした。法執行機関はこうした脅威の情報を知る必要があり、誰も単独では対処することはできません。私たちは"Need to know"から"Need to share"へと考え方をシフトしていく必要があるのです」(中谷昇IGCI総局長)

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IoTの進展とともに外部との通信機能をもつ機器を悪用したボットネットが、DDoS攻撃の手段に使われるなどインターネットにおける脅威となっています。2016年にMiraiボットネットによる攻撃が行われたときには、1.1Tbpsのトラフィックが発生しました。
こうした状況に対抗するために、ICPOが民間とのパートナーシップで行っている国際的オペレーションや捜査官に対するトレーニングの実施や世界各国のサイバーセキュリティ企業とのアライアンスなどが紹介され、"Need to share"による官民での国際的な協力関係を推し進めていくことの重要性が強調されました。

官民のリーダーが脅威に対するサイバーセキュリティの取組みを共有

Philipp Blauensteiner オーストリア内務省 連邦護憲テロ対策局 サイバーセキュリティセンター長も、DDoS攻撃やランサムウェアなどのサイバー犯罪が急速に増加していることをあげて、オーストリアにおける情報共有・協力活動の取り組みを紹介しました。

Walter Unger オーストリア防衛省 サイバー防衛センター長は現在のサイバースペースを”Shark Tank”(サメの水槽)と表現しました。ICTインフラを防衛する取組みの一環として、オーストリア政府省庁を横断するサイバー演習ASDEM (Austrian Strategic Decision Making Exercise) を紹介しました。

FS-ISAC (Financial Services Information Sharing and Analysis Center)John Salomon EMEA地域担当ディレクターは、金融機関に対する国際的なサイバー犯罪の被害事例の数々をとりあげ、「金融および官民のセクター間のより密接な情報共有・協力を行うコミュニティを築いて、今すぐ実行に移すことが必要とされている」と主張しました。

民間企業からはSEC Consult創業者のClemens Foisnerが登壇し、2000年から現在までのサイバーセキュリティ事件・歴史を振り返りながら、黎明期から欧州でサイバーセキュリティ事業を行ってきたSEC Consultの実績とNEC・インフォセックとの協力関係について語りました。

最新のセキュリティ監視データとグローバル展開を講演

インフォセック・オーストリアの田中洋 プリンシパル・コンサルタントは、多様化・巧妙化するサイバー犯罪への有効な対抗手段としてSOC (Security Operation Center) によるセキュリティ監視、およびAIを活用した最先端の取組を解説しました。講演の最後に、インフォセックのグローバル展開とオーストリアでのパートナー関係による新たな可能性を語り、”Counter threats in cooperation with like-minded friends.”(志を同じくする友人同士、手を取り合って脅威に対抗しよう)と締めくくりました。

今回のイベントを通じ、参加者からは「サイバーセキュリティの全体像が見えてとても興味深かった」、「警察当局だけでなく、民間の力もあわせて対抗しなければならない実情が理解できた」といった感想や問い合わせが寄せられています。

インフォセックとSEC Consultは、今回のイベントの成果に満足しているとともに、今後に強い期待を持っています。 こうした参加者からのフィードバックを受け、各国・各業界からの異なる視点を持つ人々を繋ぐ機会を作り出していくことが、サイバー犯罪に対抗する一歩となるからです。私共は今後、さらに国境を越えた協力関係を深め、強力なネットワークを築いてまいります。

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All photos by Thomas Weilguny (www.traum-und-wahnsinn.at)