BCPを絵に描いた餅に終わらせないために今すぐできること

2012/10/01

■BCPとは?改めて考えるBCPのあるべき姿
企業活動をとりまくさまざまなリスクがテレビや新聞で取り上げられる機会が増えています。地震、津波、台風や豪雨とそれに伴う浸水、インフルエンザの大流行、広域火災の発生など、企業活動を脅かす非常に多くのリスクが存在しています。

こうした災害のリスクは発生確率が低いことから過小評価しがち。でも、ひとたび災害が発生してしまうと甚大な被害をもたらし、最悪の場合には社員の命を奪い、企業の存続をも危うくするものであることは忘れてはなりません。

BCP(事業継続計画)の立案は、こうした発生確率が低いけれども発生した際の被害が甚大な事象に対して、あらかじめ対応策を検討することで被害を軽減させることを目指す活動です。

事前に災害が発生した際の対応を検討しておくことで、パニックにならず冷静な判断ができ二次災害で被害を拡大するようなことも防ぐことが可能となります。

■そのBCPマニュアルは本当に活用されていますか?

BCP活動というと「万が一の時に備えてマニュアルを作りましょう」というのが定説になっています。何パターンもの被害想定を設定し、組織の誰もが迷うことなく行動できるようBCPマニュアル作りを進めていくとキングファイル数冊分もの分厚く膨大なBCPマニュアルが出来上がってしまうことになります。

BCP事務局の方から「BCPはマニュアル作りが大変で・・・」という悲鳴に近い嘆き節が聞かれるのは当然なのかもしれません。

ただ、せっかくBCP事務局が苦労して作成したBCPマニュアルはしっかりと活用されているでしょうか?BCPマニュアルの作成自体が目的になってしまい、作成した途端にBCP活動が途絶えてしまうケースも少なくありません。

BCP活動を始めるにあたっては、BCPが果たすべき役割と目標とする成果を正確に認識し、BCPを単なるマニュアル作りに終わらせない仕掛けを盛り込みながら、本当に役立つBCPにしていくべきではないでしょうか。

■BCPマニュアル作成を通してリスク感覚を共有しよう

BCPのコンサルティングを通じて多くのBCPご担当者様と情報交換させていただく機会がありますが、災害等に対するリスク感覚は人それぞれであり、実にさまざまな考え方があることに驚かされます。

BCPを取りまとめていく際には、こうしたさまざまなレベルのリスク感覚を会社全体で共有して、一つに集約していく必要があります。リスクに対する認識が組織の中でばらばらなままでは、非常事態に直面した際の判断基準が統一されず混乱を助長してしまう懸念があるからです。

BCP構築に当たってさまざまな検討を行うわけですが、多くの関係者の意見をすり合わせていく作業はとてつもなく時間がかかるものです。一刻も早くBCPマニュアルを完成させたいBCP事務局の立場からすると遠回りをしているように見えるかもしれません。

しかし、BCP構築の検討を通じて従業員同士のリスク感覚のズレを修正していく過程を経て、いざというときに役に立つBCPが構築できるということを忘れてはいけません。被災状況によっては通信・連絡手段が限定される可能性も高いため、予め組織としての意思統一をはかっておく必要があるのです。

■BCP運営の鍵は最適化・定着化にあり

BCPマニュアルが完成したら、早速マニュアルを使って演習をしてみましょう。BCP事務局が演習用にシナリオを選んで、本番さながらに万が一の際の行動についてシミュレーションを行ってみてください。

BCP演習を実施してみると、上手くできた点とそうでなかった点が見えてくるでしょう。BCPマニュアルに実情にそぐわない点が見つかり、マニュアルを見直す必要に迫られるかもしれません。せっかく作ったBCPマニュアルを変更するのは事務局にとって負担にはなるのですが、この「マニュアルを見直す」仕組み作りが最も重要です。

BCP演習等の自社のBCP活動を省みる機会を意図的に設定することで、BCPマニュアルを「ただ作っただけのBCPマニュアル」から、組織に根付いた本当に役立つBCPマニュアルへと大きく進化させることができるのです。

インフォセックでは、BCP管理の専門家によるリスク分析を踏まえたBCPマニュアル作りから、BCP演習や内部監査を通じたBCPマニュアルの評価及びBCP活動の最適化・定着化まで、責任を持ってお手伝いしています。ぜひお気軽にご相談ください。