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コラム

2011/02/03「情報セキュリティ月間特集 ~変化球で考える情報セキュリティ 第1回~」

■はじめに ~本コラムの目的~
毎年2月2日は、内閣官房長官が議長を務める「情報セキュリティ政策会議」が定めた「情報セキュリティの日」です。これは、情報セキュリティの向上への気運を全国的に波及・浸透させるとともに、広く官民における意識と理解を深めることを目的としています。同様に、2月は「情報セキュリティ月間」として定められています。

インフォセックのメンバーは、日頃、企業や官公庁等のお客様向けに、情報セキュリティを含めたリスク管理のコンサルティング、ソリューションを提供しています。
コンサルタントやエンジニアとして、新しい脆弱性情報やマルウェアの解説、クラウドなどの技術動向や運用上の課題、セキュリティを守る上で私たちが知らなければいけない、そしてお客様にお伝えしなければならない直球の情報は山ほどあります。

でも、せっかくの「情報セキュリティの日」、「情報セキュリティ月間」ですので、ここでは日々情報セキュリティの運用に頭を悩ませているCIO、CSO、事務局担当者の皆様に、ちょっと変化球のアプローチで何かをお伝えできればと考えています。


■市民向けセキュリティ講師のトレーニング
CIO、CSO、事務局担当者の皆様は、情報セキュリティ業界の展示会・セミナーで講師を務めるというのは、もうお手のものだと思います。
しかし、これまでに役所や学校、NPOなどからセキュリティに関する講師を依頼されたことはありますか?

先日、JNSA(NPO 日本ネットワークセキュリティ協会)主催インターネット安全教室の講師トレーニングというお仕事で様々なお客様にお会いしました。
日本各地のパソコン教室やNPO、学習団体、学校などで主婦の方々やシニアの方々、小中学生等に“情報セキュリティの大切さ”を伝える講師の皆様に、おこがましくも専門家としてトレーニングを提供する機会です。
このお仕事、日頃の企業向けのお仕事とは、大きく性格が異なります。参加者の皆様の年齢層や職歴、住んでいる地域や環境も異なりますし、何よりも、参加者の皆様が講師として目の前にするお客様(いわばエンドユーザ)は、大きく異なります。
小中学校で教える方は学校裏サイトやネットいじめに興味があるかもしれませんし、シニアに教える方は、そもそもパソコンって何?というところからエンドユーザに向き合う必要があるかもしれません。
そこで、このトレーニングでは、セキュリティの動向や技術以上に、“講師”として求められることを重視した内容のカリキュラムを盛り込みました。


■伝えること
このカリキュラムのポイントは、“コーチング”の応用です。
コーチングは主に、個人の目標達成を支援するためのコミュニケーションスキルの体系であり、傾聴や承認等を通じて、相手の自発的な行動を促進するものです。
セキュリティも、「相手に自覚した行動をしてもらえなければ意味をなさない」というところから、まずは講師自身の伝え方や聴き方を見直すことを最初の一歩に出来たら、という意図を込めてみました。

ここでは、この講習の中で取り上げた、トレーニングの一つをご紹介します。
ついつい講師が使いがちな難しい専門用語に対し、“つまり”で言いかえる(リフレーズ)トレーニングです。余計なおまけをつけずに、簡単に説明して、その後相手の求めるレベルの答えに着陸させる、という技術が求められます。
皆様も、社内で上司や関係部局に情報セキュリティの説明を行う際、ついつい自分の知識を総動員して難しい説明をしてしまうケースはありませんか。

「スマートフォンってなんですか?」
「スマートフォンはiphoneとかandroid等のパソコンに近い機能を持った携帯電話で、アプリの導入やアップデートのよる機能追加が可能で、でも新しいマルウェアなどの脅威が......」

もしかしたら相手の求めている答えは次のようなものかもしれません。
「携帯の一種ですよ。」

参加者の皆様には、最初に「つまり○○ですよ」と言い切ってもらうことを体験していただきました。
実際には、知識のある方ほど難しいトレーニングのようでしたが、何度か練習してもらううちに、皆さんの説明が洗練されてくるのがよくわかりました。
細かい説明を最初にしてしまうと、“そもそも”に目を向けることが難しくなってしまいます。結果、相手は混乱し、説明の中にあった他のことをどんどん質問してきてしまい、最後には「あなたの話はよくわからない!」と言われるなんていう悪循環が発生します。

セキュリティのように「面倒くさい」「難しいもの」を扱うときこそ、簡潔に伝えることからはじめて、相手と理解を共有する努力に手間を惜しまないことが必要ですよね。



次回は、「第2回 面倒くささを考える」を2月9日頃に掲載予定です。

- 執筆者 -
株式会社インフォセック
コンサルティング本部 プリンシパルコンサルタント 松本照吾


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